建前やけども

面接を受ける上で、一番大事なのが志望動機。結局てめえはうちで何がしたいねん、ということを新聞社の試験では、毎回聞かれていたと思う。ということで、志望動機を考える。
今年も新聞社を受けるにあたって、去年とは若干心境が違う。去年は、とにかく勢いだけで、面接を押し通してきたが、今年は、人の役に立てる記事が書きたいという思いが強い。それは、先日、NHK辺見庸が特集されていたが、辺見庸が言っていたことに感銘を受けたからだ。彼は、現代を、派遣切りのように、人が物のように捨てられるような時代がきている。でも、一方で、テレビを見ればお笑い番組をやっていたり、大食い番組をやっていたりする。危機的な状況がある中でそれをさもなかったかのように、取り留めのないことのないように物事を包み隠してしまう時代が現代であると。そして、そのような社会が少しでもよくなるように彼自身は文章を書いていきたいと言っていた。それを聞いて、そういう風にして、人の役に立っていくことは純粋に素晴らしいことだと思った。
また、先日読売新聞大阪本社の災害専門の記者の方に話を伺った。その時、その記者の方は、一人でも災害が発生した時の被害者が減るように、災害を事前に警告するような記事を書くのが自分の使命だとおっしゃっていた。それを聞いて、またそういう風にして、文章を書いて、情報を伝えることで、人の役に立っていくことは素晴らしいと思った。
そして、問題なのが、じゃあ自分はどのような記事を書いていきたいのか。やはり、自分にとって、大きく価値観が揺らいだのは、能登半島地震だった。震災発生直後に被災地に行き、倒壊している家々を目の当たりにし、被災者の「もう生きている意味なんてない」という嘆きを聞き、震災というものは、一瞬にして人々の生活を奪ってしまうものだということを痛感した。それと同時に何もできない自分の無力さを痛感した。そして、今思うのは、できることなら、そういう被災者のためになるような記事が書きたい。災害の被害が少しでも減少するような記事を書いていきたいと思う。

先日行った能登半島地震被災地の一つでもある輪島市仮設住宅では、様々なことを知った。長い仮設住宅暮らしで、体調を悪化させた被災者が多くいること。経済的に苦しい中で、公営住宅に入るのに、敷金、礼金、保証人の所得証明書がいること。自宅が一部損壊しただけでは、支援が3万円しか受けれないこと。いろんな問題があることを知った。そして、それでも、支援される側だから、負い目があって、不満があってもじっと我慢していること。それでも本当は本音を社会に伝えてほしいと願っていること。そこに、新聞の役目があると思う。社会的弱者である人の声を掬って、社会に伝え、少しでも苦境に立つ人々の生活が改善されるような、制度や仕組みができるように訴えることが新聞の役目であり、そうすることで、被災者の役に立てるはずであると思う。だから、自分も災害が起きれば、被災者の声を伝えて、被災者の役に立ちたいと思うし、今ある被災地でも同じように、被災者の声を伝えていきたいと思うのだ。それが、自分なりの文章を書いて、人の役に立てる、手段だと思う。

そして、災害が発生したときの被害が少しでも減るように、記事を書いていきたいとも思う。防災研究者を取材して、災害を事前に警告するような記事を書く。現在、防災に取り組んでいるボランティアやNPOはたくさんある。その人たちの有効な取り組みを伝えて、一人でも多くの人が災害への関心を持ってほしいと思うのである。

先日参加した、減災のイベントでは、減災を進めるのに、町をコンクリート漬けにして、耐震化を進めるのではなく、町にある文化を残したまま、災害に備えていく、耐震化を進めていく方法を模索していた。そういう減災に熱心に取り組む人々がいること、減災への取り組みを伝えることで、減災の輪が広がって欲しいと思う。

まとまっていないが、以上が自分なりの文章を書いて人の役に立てる方法であると思う。