4.25ネットワークら、真相解明へ向け集会開催

JR福知山線尼崎脱線事故から4月25日で4年を迎えた。被害者の遺族らが形成する4.25ネットワークらは、25日、兵庫県尼崎市総合文化センターで「追悼と安全のつどい2009」を開いた。飛行機事故などに詳しい作家の柳田邦男氏らが招かれ、柳田氏は、「ミスを問うのではなく、何故ミスが起こり、何故防げなかったのか、ミスの本質を問う」必要性を主張した。【4月25日】

追悼と安全のつどいの冒頭では、4.25ネットワーク世話人の浅野弥三一さんが事故の真相解明の必要性を訴えた。さらに、真相解明のために、遺族の代表者、JR西日本の関係者、有識者で「尼崎脱線事故検証委員会」を設置し、事故の原因を科学的に分析し、組織的・構造的問題の所在と課題を明らかにすることを提案した。

柳田氏は、「航空機、鉄道の事故は様々な人が絡み合い発生する。構造的な真相を明らかにすることが重要。そのためにも、刑事責任追及を置き、オープンな議論ができる環境が必要である」と話し、どうすれば怪我人が減るのかなど、被害者の視点をいかしていくことの重要性を説いた。さらに、被害者、JR西日本職員の心のケア、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のケアなど、事故当事者らの心の問題にも課題があることを指摘した。

【取材後記】航空機や鉄道などの事故には、単なる運転手のミスではなく、企業の組織的、構造的問題があることを知った。そして、遺族らが追及するのは、補償ではなく、組織的・構造的な問題の改善であることも知った。しかし、企業側は、組織的・構造的な問題を認めることに二の足を踏んでいる。刑事責任を追及される恐れがあるからだろうか。柳田氏の言うように事故の原因をオープンに議論できる場、環境が必要なのだろう。そういった意味でも「尼崎脱線事故検証委員会」の意義は大きいのではないだろうか。