大学生活

僕が大学生活で最も打ち込んだことは、間違いなくサークル活動だ。学生新聞と聞くと時代遅れな感じは否めないが、阪神淡路大震災の取材を13年も継続しているなど、歴史あるサークルだ。

僕も、JR尼崎脱線事故能登半島地震阪神・淡路大震災の取材を経験させていただいた。

能登半島地震では、震災直後に、被災地へ直行し、被災者の悲嘆にくれる声や被災地の現状を目の当たりにした。本当に衝撃を受けた。これまで普通に暮らしていた人々の生活が一瞬にして、崩壊してしまう。「もう生きている意味なんてない」とこぼす被災者がいらっしゃる。偶然にして、人生が大きく変わる。そんなことが、往々にしてありえるのだということを学んだ。そして、被災者に対して、自分の無力さを本当に申し訳なく思った。被災地に行って、取材して、記事を書く。このことにどれだけの意味があるのだろうか。どれだけの学生が、僕が書いた記事を読んで、被災地に関心を持ってくださるのだろうか。そう考えたときに、自分の矮小さに腹が立った。

それと同時に、僕には書くことぐらいしかできないことも認識していた。だから、その後できるだけ、防災や災害関連の取材に携わった。願わくば、僕の記事を読んで、被災地に足を運んでくださる人がいればと思いながら。

今、活動を終えて思うことは、災害や事故などは、本当にあって欲しくない事態だ。家が全壊したり、大事な人を亡くしたり。けれど、その中で、僕は人の優しさというのを強く感じた。避難所にボランティアに行く人々、仮設住宅入居者の健康を気遣い、毎日全入居者に声をかけて回る人、防災について研究する教授。月並みだけど、どんな人も、共通して、優しさをもっていらした。しかも、それを継続していらっしゃるのだから、偽善ではなく、間違いなく本当の優しさだと思う。そういう行為を見させていただくと、本当に勉強になる。

そして、そういった優しさをこれからも伝えていけるような人でありたいと強く思う。