不遜な面接官

今日受けた会社の面接官は不遜極まりない態度だった。あまりに傲慢過ぎて、面接のことを忘却して、いかに早口で話して、面接官の無能さ理解度の低さを嘲笑するかに徹してしまった。


まず、1対3の面接だったのだが、面接官は開口一番「君達はまだ学生だから、就活の仕方もいまいち分かってないと思うので、この面接では、どのように会社を選択していくかも考えていけるような面接にしています」と言い放った。僕は内心大きなお世話じゃと思いながら、ニヤニヤ愛想を振りまいていた。


しかし、面接を進める上で、その面接官の傲慢な態度に僕はニヤニヤしてられなくなった。初めて面接に臨んだという受験生が口ごもりながらも懸命に話しているのに、その面接官は「いまいち意味が分からないんで、もっと具体的に言ってくれます?」と言い、受験生は困ったような顔をしながら話し始めると「要するにこういうことですよね」と言って自らの解釈を受験生に押し付けた。何と不遜だ。圧迫面接とは違う。その面接官の言動は、学生を「学生なんて、所詮働いてないし、何も考えてないんだから」と侮蔑しているようでならなかった。僕はその瞬間、この面接を学生に対する冒涜と受け止め、持ち前の反体制運動を展開することを決意した。何故なら、社会人が学生を見下して良い理由なんて一つもないからだ。学生もやがて、働き出し、ビジネスマナーを学び、給料を稼ぐ。違いは、社会人の方が学生よりも知っていることが多いというその一点だけだ。考え方や生き方が立派な学生なんて、世の中に腐るほどいる。


ということで、僕はできるだけ、面接官の早口ぐらいの速度で、面接官と同じぐらいのわかりにくさで質問に答え、揚げ句の果てには、志望動機を3分で言ってくださいと言われたので、1分で言い切ってやった。



面接終了後、面接官は僕達のビジネスマナーがなってないと忠告し、部屋を去っていった。しかし、僕は思った。ビジネスマナーがなってないのは面接官のほうじゃないかと。彼は、ネクタイすらしていなかったのだから。