続・中国製冷凍ギョーザ

 中国製冷凍ギョーザから毒物が検出された問題で、日中の捜査機関が対立している。JTの冷凍食品の売り上げは昨年2月と比較して、9割減少した。中国製の冷凍食品に対する消費者の厳しい対応だ。


この事件を契機に日本の食品がいかに海外に依存しているか、いかに自給率が低いか、いかに食品の安全を妄信していたかがわかった。かといって、国が輸入規制をかけたり、検査体制を徹底することは、規制緩和を推進している制作や財政状況からも厳しい。消費者が、国産の食品しか買わなければよいとなれば、低所得者の生活が圧迫される。この問題は、他国との関係や、日本の食料自給率が低い独自の状況から、完全に解決することは難しい。では、どうすればよいのか。僕は、やはり、今回の消費者の対応が正しいと思う。日本の消費者が、JTの冷凍食品を購入しなくなったため、JTは信頼回復のため、検査体制を強化し始めた。国も仮に食中毒などが蔓延した場合に備え、厚労省への報告体制を整備した。これも、消費者の視線が厳しいからこその対策である。そして、大事なのは、食品に対する疑念を持ち続けることだと思う。産地が的確に表示されていないのであれば、食品会社に訴える、もしくは購入しないなど、逐一リアクションを取り続ければ、食品会社も表示方法を変えたりと、自助努力するだろう。
しかし、気をつけなければならないのは、中国産だから、購入しないなどの誤った見方だ。今回の冷凍ギョーザの工場での、衛生管理はしっかりしていた。中国の捜査機関が中国の工場が原因ではないと主張するのも、衛生管理に自信があるからだろう。さらに、日本人は食品を輸入しなければ、生活が成立しない状況にある。なりふり構わず、拒否するのではなく、食品に対する適切な知識、情報から判断する力が必要だと思う。