減災・被災者の現状

減災・被災者の現状。自分の目で見てきたこと。


能登半島地震を契機に、減災に取り組む学生、教授、被災者、被災地を見てきた。僕は頭の中で整理することが苦手なので、書いて整理することにする。
まず、学生や教授の取り組みについて。僕は学生や教授らの活動は、本当に尊敬に値すると思うし、被災地などで本当に必要とされているものだと思う。まず、尊敬すべき点は、彼らの目線が第一に被災者にあることだ。現在、阪大の大学院に在籍する宮本さんは、4年時に新潟中越地震の被災地に半年間移住した。宮本さんは生活する中で、村の人々から、村の特産物や山菜を紹介され、逐一驚いた。純粋に「こんなおいしい物があるんですか」と。そんな生活を続ける中で、宮本さんは、村人の変化に気づいた。村人が地域の特産物や自然の価値を再認識し、村での生活に誇りを持つようになったという。そして、村人は何事も前向きに取り組むようになり、災害時にどこに避難したらよいかなどのマップ作成やイベントに取り組むようになった。

これは、宮本さんが、村人に本当に必要なことは何なのかと考えながら、悩みながら村人と共に生活を送ったからこそ得られた成果だと思う。彼らは、決して被災者に何かを押し付けたりしない。絶えず、被災者がよりよく地域を再建していくために何が必要かを考えている。その姿勢は本当に尊敬に値する。そして、それは、足湯隊にも共通する姿勢だと思う。

教授の取り組みも面白いと思う。全国の災害の知恵を集め、一冊の本にした。さらに、減災について、自由に参加者が議論するイベントを辛抱強く取り組んでいる。これらの活動を取材していて感じたのは、減災、すなわち災害に備えるということは、いかに人々が起こるかもしれない災害について関心を持つかにかかっているのではないかということだ。人々が災害のことを常に真剣に考えるのは難しい。というか、不可能だ。人々は、毎日の仕事や学業、人間関係や趣味や恋愛やその他含めて、数え切れないぐらい思案、懊悩しなければいけないことを抱えている。その中で、いかに災害の危険性やそれに備える必要性を知ってもらうかは至難のわざだ。そんなことは重々承知で教授らは本にまとめたり、イベントを企画したりと息の長い取り組みをしている。

そうだ。忘れてはならない藤室さんについて。藤室さんは、神戸大在学中に阪神大震災を経験した。その後、総合ボランティアセンターという組織を立ち上げ、被災地でボランティアを続けた。そしえ、現在博士課程3年で、研究を続けながらもボランティア活動に勤しんでいる素晴らしい方だ。僕は取材で、何故ボランテイィアを13年間も続けているのかと伺ったときに、藤室さんはこう答えた。「阪神大震災直後のボランティアをしているときのみんなの表情が良かった。極限状況でも困っている人のために、みんなが生き生きとした表情でボランティアをしていた。それを見た時にこんな表情でみんなが暮らせるような社会になってほしいと思った。逆に、人間の汚い部分も震災ではたくさん見た。だから、尚更その思いが強くなった」と。それを聞いた時に本当に素晴らしい方だと思った。その思いを実現するために、13年間活動しているなんて、何て意思が強く優しい方なんだと思った。

このように、学生、教授の取り組みは多岐に渡り、しかも地道な取り組みをしている。新聞を通してやりたいことは、関心がある人には、宮本さんや教授らの取り組みなど有効な支援方法を伝えること、関心がない人にはできるだけ関心を持ってもらえるように、教授らの取り組みや藤室さんの思いを伝えたいと思うのである。


次に現地に直接行って感じたこと。と思ったけど物凄く長くなったので、明日の日記に書こう。