面接対策

新聞記者には機転が必要らしい。確かに、締め切りまでの時間が無い中で取材し、原稿を書かなければいけない場合、臨機応変な現場での対応が必要になる。
しかし、どちらかというと自分は、機転がきかないほうであると思っている。それよりも、遭遇した出来事、物事に対して、何日もかけながら、何度も反芻して、自分なりの見解を作っていくほうである。こうやって、自己分析するために文章を書いているのも、頭の中を自分なりに整理するためである。
その面接対策として、今回は、最近あった喜怒哀楽についてまとめてみる。この喜怒哀楽を通して、自分をアピールするのは、なかなか難易度の高い芸当であると思う。

喜・・・先日、能登半島仮設住宅に行った際に、仮設住宅の区長が昼ごはんをおごってくれた。といっても弁当であるが、しかし、2年間仕事をせず仮設住宅で暮らし、1ヵ月後には公営住宅への入居のために、敷金、礼金、家具などの出費がある、経済的には厳しい中で、その方は「わざわざ遠いところから来てくださったのだから。そうやって、震災のことを勉強しにきてくれるのがありがたい」といっておごってくれた。苦境に立たされているにも関わらず、人への優しさを優先する区長の計らいには、感動した。そして、素直に嬉しかったし、輪島市の刺身はうまかった。自分は、記者になって、被災者の本当の声を伝えて、被災者のためになるような恩返しがしたいと思った。

怒・・・それも、仮設住宅に行った際のことだ。被災者の中には、被災して仕事ができなくなった人も多い。その中で、公営住宅に入居するのに、敷金、礼金、保証人の所得証明など、多額の費用がかかることに疑問を感じた。しかも、その知らせを聞いたのが3月の上旬であり、公営住宅の入居は、遅くとも4月末までには、完了しなければいけないとのことだ。災害は,交通事故と違い、原因者負担がない。それを、自己責任で片付けるのは、あまりにも被災者にとって、過酷であると思う。行政は、もう少し、公営住宅の説明会を早く開いたり、礼金をなくしたりと配慮すべきではないかと感じた。そして、私達もそういった現状に目を向け、関心を持つことが大切であると思う。やはり、関心から募金へ繋がったり、何かの因果で被災者の支援に繋がる場合もあると思うからだ。

哀・・・昨日の中国の四川大地震の勉強会で、NHKディレクターが言った「現場はメディアでは伝えられないが、遺体の腐敗臭が凄かった」という言葉。改めて死者・行方不明者9万人近く出した、震災の脅威を思い知った。また、亡くなった方のことを思うと胸が痛んだ。特に中国は、一人っ子政策を施行しているので、子どもをなくした親の悲しみは計り知れないと思う。

楽・・・やはり、昨日の四川大地震の勉強会の後に、参加者で、ご飯を食べたのだが、楽しかった。ディレクターの方の「災害の教訓を日本でもいかせるところがあると思って、中国を取材している」という災害報道に対する思いを知れたことは、自分の災害報道に対する思いと重なる部分があると感じた。また、日本の防災に対しては、耐震化が必要でも、予算が無くて、耐震化を促進できない自治体もあるし、経済的に余裕が無い人は、やはり補助金がでたとしても耐震化する余裕が無い現状があることを直に教えていただいた。弱者の視点に立って防災を考えていくことの重要性を学んだ。このように、災害に携わる人と話すことで、様々なことを学んだし、共感する部分もあって、非常に有意義で、楽しい時間だあったと思う。やはり、何かを学ぶということは楽しいことである。