生き残れるか

斜陽産業といわれる新聞業界。広告はネットに増加傾向にあり、発行部数も徐々に落ちていっている。今後は、業界が再編されて、朝日と読売の2頭体制になるのか。それとも、各新聞社が自転車操業しながらでも、新聞を発行していくのか。

テレビ、ネットにない新聞のメリットは、たくさんあると思う。ストレートニュースだけでなく、解説、調査報道、連載など、ニュースを深く掘り下げて新聞は伝えることができる。さらに、テレビと比して情報量が多い。政治のニュースから地域のニュースまで、新聞紙は網羅している。自分が新聞社にいきたいと思うのも、その情報量と多角性である。例えば、災害について取り上げるにしても、減災における行政の耐震化を促進する施策や地域のボランティアの防災マップ作りなどの取り組み、災害時における被災地の様子、被災者の声、震災の原因となった断層の特定など、伝えるといっても、多角的に伝えなければならない。そういった、課題をクリアできるのは、新聞社だけだと思うし、自分はそういう風に多角的に取り組んでいきたいと思うのである。

以上のように、情報量の多さ、ニュースの追及といった意味で、新聞はテレビやネットにない利点を持っていると思う。そして、そこにニーズがあるのかどうか。ニュースの表面的な事実だけを欲しいと思う人が多いのか、ニュースを掘り下げた記事を読みたいと思う人が多いのか。

自分自身は、ニュースを掘り下げた記事というものは必要であると思う。政治について、指示する政党を決めるにしても、表面的な事実だけでは、的確な判断ができない。事件が発生したとしても、その事件の背景にある社会的な要因を自分なりに考えることが、今の社会がどのように変遷していっているのかを掴むきっかけになると思う。そういった意味で、ニュースを掘り下げた記事というのは必要であるし、ニーズもあって欲しいと思う。だから、NIE事業を展開するなどして、若い世代にも新聞の有用性を理解してもらうようもっと努力すれば、きっと新聞紙は存在し続けられると思う。

そして、新聞社の出すニュースの一番の特徴は、信頼性があるということである。ネットで新聞社から配信されるニュースにしても、調査報道にしても、信頼性というものは、評価されている。だから、最悪紙媒体がなくなったとしても、ネットでのニュース配信や、ネットでPDF化した紙面を提供するなど、新聞社が担っているニュース配信、不正義の追及、権力の監視という機能はなくならないとは思う。そういった面でも、新聞社というのは割りと長生きするんじゃないかとは思う。