メディアの果たす役割

これまで、書いてきたように、災害・減災といっても様々な側面がある。
関わる人を基準に分類してみると、
1.災害時の被災者
2.被災者を支援したり、防災マップ作りなどの草の根的な減災の活動を行うボランティア・教授・NPO
3.耐震化を進めたり、災害発生時には被災者を補助する国・自治
が挙げられる。
災害が発生した場合には、国や自治体が仮設住宅の建設などを行い、ボランティアなどが、被災者の心のケアをするなど、災害・減災において、それぞれ3者が果たす役割はどれも重要で、3者の連携がしっかりととれることが、大事である。そういった意味で、この3者は災害・減災において、それぞれの果たすべき役割を担っており、欠くことができない。
では、それぞれ分類された人達にメディアが果たせる役割とは如何なるものか。
まず、被災者に対しては、被災者が抱える問題を伝えることが挙げられる。それによって、新たな制度ができたり支援体制が整うことがある。さらに災害時には、ニュースとして、被災地の現状を正確に伝えることもメディアの重要な役割であるし、災害から得た教訓、よりよい救助、よりよい復興を推進するためにはどんなことが欠如していたかなどを伝えることも重要な役目である。次に、ボランティア・教授・NPOに対して、これは、人々に災害や減災について、興味関心を持ってもらうために重要であると思う。地域で防災マップ作りをしていることや、住民や専門家が意見交換をして、町の耐震化について考える場があることなどを伝えることで、他の地域がそのような取り組みを行うきっかけを与えることができる。そういった意味で、減災・防災の活動の輪を広げるということでメディア果たすべき役割はある。最後に、国や自治体に対してメディアができること。これは、国や自治体が進めている耐震化などの減災の取り組みがしっかりと実行されているのか、監視し、厳然たる遂行を促すことであると思う。調査報道などで、耐震化の進捗具合を報じることはそういった意味で重要である。さらに、中央防災会議など、国が出す施策を国民に伝えること,国が出した災害時における被害想定を伝えることも重要な役割といえる。

以上のように、災害・減災において、メディアが果たす役割は大きい。