初めはこの木にいたんだろうけど,本当の初めは,そもそも全てが未知なわけで,周りを見ると木が近くに一本生えているのだから,行ってみないことはない.

行ってみたら行ってみたで何もないのかと思いきや,雨が降れば,打たれ,晴れたならば,日焼け.もっぱら嫌になって元に戻ろうとして,パチン.

そもそも本当の初めから木にいたわけで,やってきた所もまた木なのである.首を前後にふって見やると,初めの木には,そこかしこに葉,とその群集.やってきた木には,欠落.

雨は元の木,晴れは痩せた木,これで安泰,何て都合よくいかず,右往左往.

さすがに嫌になって,木片かき集め,図画工作.

半分はふさふさ,もう半分はすかすかの木,これで安住.何て都合よくいかず,次は退屈.

枝ぬけて,架空の原点回帰,葉が落ちて,想像の社会復帰.されども修復するたびに,肥大する虚構の快感.

袋小路の夕暮れ,恐怖の明日.