すばる

先日、機械工学専攻学生と企業との技術交流会なるものに強制的に参加させたれた。要は、就活イベントのようなもの。

メーカーに研究者として就職するのか、また、文章を書く仕事に就くのか決めかねている自分にとっては、あまり気乗りしないイベントだった。さぼって、本でも読んでるほうがよいかと思っていたが、思わぬ発見があった。

何と三菱電機が、天体望遠鏡人工衛星を制作しているという情報だった。天体望遠鏡と言えば、ハワイにある「すばる望遠鏡」が思い浮かぶのだが、何とすばるの制作にも関わってたらしい。それを聞いて微かな希望の光が見えた気がした。
宇宙はロマンだ。何故なら宇宙を構成している物質のいまだ9割が解明されていないからだ。宇宙の始まりは、ビッグバンだが、何故ビッグバンが発生したかは分かっていないからだ。分からないことだらけの世界の解明に頭が切れ切れの科学者が挑んでいる。それでも、分からないことだらけ。不完全であるからこそ、魅力がある。新発見への期待、想像の自由、未知なる対象を思考する愉悦。
三菱電機の話を聞いて、そんな宇宙への関心を向ける矛先が見つかった気がした。

宇宙と言えば、やはりカートヴォネガット著の「タイタンの妖女」は良い。火星に住む人間と地球に住む人間との仕組まれた戦争から発展する物語。ほんの些細なことに全人類が翻弄される物語は、自分に、何が正しくて何が間違っているかなんて、結局は、最後になってみないとわからないことを教えてくれた。だから、もっと毎日を楽しく、成り行きにまかせていこうと思う。